「生理周期が安定しない」「出血量が多い」「生理が2日で終わってしまった」など、月経の間隔や月経量の異常を月経異常といいます。月経異常が起こる原因は、生活習慣やストレスなどのほか、冷えや体重の急激な変動などからくるホルモンバランスの乱れなど様々です。子宮や卵巣の病気がある場合とホルモンの状態が影響している場合とがあり、病気によっては不妊症の原因になることもあります。症状に応じた必要な検査と治療を行いますので、月経異常の可能性がある場合は一度ご相談ください。
生理の直前、または開始とともに下腹痛や腰痛、眠気、頭痛が現れ、市販の痛み止めを服用しても効かない人や、日常生活に支障をきたすような痛みに悩んでいる場合は月経困難症と判断します。子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内の感染など何かの病気の影響で生理が重くなってしまう可能性があります。子宮内膜症は月経困難症の原因となり、逆に月経困難症は子宮内膜症の原因にもなります。また、子宮内膜症は不妊症に影響することがあります。症状が辛い場合は我慢せず、早めの治療が将来の病気の予防にもつながります。治療の一つであるピルは避妊効果だけでなく、生理痛を緩和したり月経周期をコントロールできる非常に便利なものです。月経困難症は10代の学生さんでは学業に影響したり、20代30代の働き盛りの年代では仕事や収入に影響すると言われています。年齢に関係なく若年からでも安心してご相談ください。また、避妊・過多月経・月経困難症に適応のある子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ®52mg)が適することもあります。できる限り痛くないよう十分な配慮をしておりますので、こちらも安心してご検討ください。
PMSとは生理前に精神的、身体的な不調が出てくる症状です。精神的な不調が強くなった状態を月経前不快気分障害(PMDD)といいます。イライラする、集中できない、肩こりや腰痛が強い、乳房痛、お腹が張る、肌荒れなど症状の幅広さが特徴です。PMSとPMDDは生理がある女性の5~10%が関係すると言われています。
月経以外に出血を起こすことです。不正出血すべてに問題があるわけではなく、良性と悪性を正確に見極める必要があります。そのため、できれば出血を確認した後、迅速に当クリニックを受診していただければと思います。
旅行などの大切なイベントに月経がぶつかりそうなどの場合、月経の時期をずらすことができます。月経を早める方法と、遅らせる方法があります。遅らせる方法の場合、イベントの期間中に薬を飲むことになり、嘔気などの副作用やわずらわしさがあります。したがって、可能であれば早める方法をお勧めします。早める方法の場合は、月経開始から5日以内、遅らせる方法の場合は、次回月経開始予想日の5日以上前にお越しください。早める場合には、低用量ピルを使用することもできます。
料金 |
¥4,400(診察料・くすり代・消費税込み) 低用量ピル使用の場合はピル外来の料金となります。 |
おりものには外部からの感染を防御する働きがあり、雑菌などが増えないように腟内を酸性に保っています。これは乳酸菌がおりものの中にいるからです。そのため、おりものは酸っぱいような臭いがすることがありますが、異常ではありません。体調が悪いときや生理前後の時期には、腟内の菌のバランスが崩れやすくなります。この状態を細菌性腟症といい、おりもの異常の中で一番多い原因ですが、少しの変化であれば特に病気ではないことが多いです。極端におりものが多い、おりものが臭う、かゆみを伴うなどの症状は、性感染症(クラミジア・淋菌・トリコモナス)やカンジダ症の可能性もあり、治療により改善が期待できます。
外陰部のかゆみは、カンジダ・トリコモナスといった感染症や、かぶれ、アレルギーなどが原因になります。皮膚の状態やおりものの性状、細菌培養検査などで診断し、経腟・経口薬、外用薬による治療を行います。
外陰部に痛み、イボ、しこりなどを感じましたら、まずは気軽にご相談ください。ウイルスが原因でイボができる「尖圭コンジローマ」や、水ぶくれができて痛む「性器ヘルペス」、近年増加している「梅毒」に感染している可能性があります。できものの種類によって、経口薬、外用薬、外科的治療などを行います。
性行為感染症(STI)の代表的なものとして、クラミジア、淋菌、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、トリコモナス、性器カンジダ、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV-1、HPVなどが挙げられます。これらは感染しても症状がなかったり、軽かったり、知らない間に感染していることがあります。また、オーラルセックスにより、口腔・咽頭への感染もみられます。クラミジアが最も多く、梅毒は近年増加傾向、HPVは子宮頸がんの原因になります。妊娠・出産を控える女性にとってSTIは、不妊症、妊娠合併症として重要です。クラミジア・淋菌感染症は、無症状でも不妊症の原因となることがあります。妊娠中の感染症は、流産・早産の原因となる他、赤ちゃんに感染する場合もあります。
主な症状
おりものの異常、外陰部のかゆみ、できもの以外にも、腹痛・性交痛・不正出血・発熱などは、骨盤内炎症性疾患(PID)という子宮・卵管・卵巣、さらにはお腹の中全体の感染症のことがあります。PIDは、子宮外妊娠、不妊症、慢性骨盤痛などの後遺症とも関係するため、早期の診断・治療が必要です。PIDはSTI以外の細菌などによる感染症でも起こります。これらの症状が一つでも当てはまる場合には、ぜひ一度受診をしましょう。
症状がある場合には、疑われる感染症検査を保険診療で行います。症状はないけど不安という場合には自費診療となりますが、子宮がん検査の一つとしてのHPV検査、性交経験がある24歳以下の女性への淋菌・クラミジア検査、STIの危険性が高い方への淋菌・クラミジア・梅毒・B型肝炎・HIV検査は、海外では科学的根拠のある予防医療として推奨されています。これらに該当する方はもちろん、妊娠・出産の準備をしたい方、定期検診を受けていつまでも健康でいたい方など、ご希望の方はどなたでもいつでも検査を受けることができますので、レディースドックへお越しください。
検査結果について
子宮がん、感染症、血液など全ての検査結果は、LINE(手数料500円)やオンライン診療で報告できます。来院の必要がなく大変便利です。(詳細データをPDF等で送ることはできませんのでご了承ください。)