低用量ピルとは
ピルとは一般的に経口避妊薬のことを指します。世界的に広く用いられており、1日1回定期的に内服することで、高い避妊効果を得られます。低用量ピルにはそれ以外にも、生理痛を和らげたり、子宮内膜症の悪化を防いだり、卵巣がんリスクを低下させるなどの副効能があります。不妊症に影響することはなく、妊娠を希望した時点で内服中止すれば、数ヶ月以内に元の状態に戻ります。
低用量ピルの効果
01
避妊効果
飲み忘れなく正しく服用すれば、ピルの避妊効果は99%です。気づかないうちに破れてしまう可能性のあるコンドームと比較すると、ピルを服用した方が確実に避妊効果を得ることができます。学生や大事な仕事中など、とにかく絶対に妊娠するわけにはいかないという人はピルの服用をおすすめします。
02
月経移動
結婚式など大事なイベントや温泉旅行の際に生理が被らないように、生理周期を早めたり、遅らせたりコントロールすることが可能です。一定期間、ピルの服用が必要ですので、日程が決まったらできるだけ早く処方を受けるようにしましょう。
03
様々な女性特有の症状を改善
生理周期の改善、生理痛の緩和や、月経前症候群(PMS)の改善、子宮内膜症の症状の改善、ニキビの改善(肌荒れ)など様々な効果が期待されます。
ピルの副作用について
全く症状がない方もいますが、内服開始後2週間くらいまで軽度の吐き気、頭痛、倦怠感が現れたり、2~3ヶ月くらいまで少量の不正性器出血が見られることがあります。ほとんどの場合、これらの副作用に危険はなく、次第に症状はなくなっていきます。長期に渡って症状が改善しない場合にはご相談ください。
また、非常にまれではありますが、重大な副作用に血栓症があります。血栓とは血の塊のことで、全身のどこにできるかにより、脳梗塞、肺塞栓、下肢静脈血栓など軽症から重症まで多岐にわたります。年齢、喫煙、肥満、片頭痛の既往、高血圧、血栓症家族歴などがリスクとなり、服用が適さない場合があります。特に服用開始から最初の数ヶ月までがよりリスクの高い時期となりますので、注意して経過をみる必要があります。ただ、実は血栓症リスクは、通常の「妊娠」の方がずっと高いと言われています。メリットの方が圧倒的に大きいものですので、過剰に恐れず、心配なときはご相談ください。